慶應義塾大学
2015年 医学部 第4問
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以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい.また$(1)$,$(3)$に答えなさい.
以下,数列$\{a_n\}$が「長さ有限」とは,ある番号から先のすべての$n$に対して$a_n=0$となることをいう.ただし,$a_n$はすべて実数とする.また,数列$\{a_n\}$を一つの文字で表すときは$A=\{a_n\}$あるいは$A=(a_1,\ a_2,\ \cdots)$のように書く.数列$A=\{a_n\}$が長さ有限のとき,$a_n \neq 0$となるような自然数$n$の最大値を数列$A$の「長さ」と呼ぶ.ただし,すべての$n$に対して$a_n=0$である数列の長さは$0$とする.
数列$A=\{a_n\}$,$B=\{b_n\}$,および実数$c$に対して \[ A+B=\{a_n+b_n\},\quad cA=\{ca_n\} \] により新しい数列$A+B$および$cA$を定義する.また,$A$,$B$がともに長さ有限のときに限って$A$と$B$との「内積」$A \cdot B$および「距離」$\overline{AB}$をそれぞれ \[ A \cdot B=\sum_{n=1}^\infty a_nb_n,\quad \overline{AB}=\sqrt{\sum_{n=1}^\infty (a_n-b_n)^2} \] により定める.$\displaystyle \left( \sum_{n=1}^\infty \text{は実際には有限個の数の和である.} \right)$
さて, \[ A(0)=(0,\ 0,\ 0,\ \cdots),\quad A(1)=(1,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] であるとし,さらに$s=2,\ 3,\ \cdots$に対して長さ$s$の数列 \[ A(s)=(a(s)_1,\ a(s)_2,\ \cdots,\ a(s)_s,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] が定まっていて$a(s)_n>0 \ \ (n=1,\ 2,\ \cdots,\ s)$かつ \[ \overline{A(s)A(t)}=1 \quad (s \neq t \text{かつ}s,\ t=0,\ 1,\ 2,\ \cdots) \] が成り立っているとする.
(1) $s \geqq 1$ならば$A(s) \cdot A(s)=1$であり,また,$t>s \geqq 1$ならば$\displaystyle A(s) \cdot A(t)=\frac{1}{2}$であることを示しなさい.ただし,$A(s)=\{a_n\}$,$A(t)=\{b_n\}$とおきなさい.
(2) $A(2),\ A(3)$を求めると
$A(2)=\left( \fbox{あ},\ \fbox{い},\ 0,\ 0,\ \cdots \right)$,
$A(3)=\left( \fbox{う},\ \fbox{え},\ \fbox{お},\ 0,\ 0,\ \cdots \right)$
である.
(3) $t>s \geqq 2$ならば数列$A(t)$と数列$A(s)$の初めの$s-1$項はすべて一致することを示しなさい.ただし,数列$A(s)$の初めの$s$項を$a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_s$,数列$A(t)$の初めの$t$項を$b_1,\ b_2,\ \cdots,\ b_t$とおき,また,$s$と$t$以外のすべての$i \geqq 1$について数列$A(i)$の初めの$i$項を$c(i)_1,\ c(i)_2,\ \cdots,\ c(i)_i$とおきなさい.
(4) $t=1,\ 2,\ \cdots$に対して長さ$t$の数列$B(t)$を \[ B(t)=\frac{1}{t+1} \left\{ A(1)+A(2)+\cdots +A(t) \right\}=\frac{1}{t+1} \sum_{i=1}^t A(i) \] により定めると,$s=1,\ 2,\ \cdots,\ t$に対して$A(s) \cdot B(t)=\fbox{か}$である.
(5) $(3)$で示されたことから,$2$つの数列$\{x_n\}$,$\{y_n\}$が定まって,すべての$s \geqq 2$に対して$A(s)$は \[ A(s)=(x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_{s-1},\ y_s,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] と表される.$\displaystyle \frac{y_s}{x_s}$を$s$の式で表すと$\displaystyle \frac{y_s}{x_s}=\fbox{き}$である.また,$x_s$を$s$の式で表すと$x_s=\fbox{く}$となる.
以下,数列$\{a_n\}$が「長さ有限」とは,ある番号から先のすべての$n$に対して$a_n=0$となることをいう.ただし,$a_n$はすべて実数とする.また,数列$\{a_n\}$を一つの文字で表すときは$A=\{a_n\}$あるいは$A=(a_1,\ a_2,\ \cdots)$のように書く.数列$A=\{a_n\}$が長さ有限のとき,$a_n \neq 0$となるような自然数$n$の最大値を数列$A$の「長さ」と呼ぶ.ただし,すべての$n$に対して$a_n=0$である数列の長さは$0$とする.
数列$A=\{a_n\}$,$B=\{b_n\}$,および実数$c$に対して \[ A+B=\{a_n+b_n\},\quad cA=\{ca_n\} \] により新しい数列$A+B$および$cA$を定義する.また,$A$,$B$がともに長さ有限のときに限って$A$と$B$との「内積」$A \cdot B$および「距離」$\overline{AB}$をそれぞれ \[ A \cdot B=\sum_{n=1}^\infty a_nb_n,\quad \overline{AB}=\sqrt{\sum_{n=1}^\infty (a_n-b_n)^2} \] により定める.$\displaystyle \left( \sum_{n=1}^\infty \text{は実際には有限個の数の和である.} \right)$
さて, \[ A(0)=(0,\ 0,\ 0,\ \cdots),\quad A(1)=(1,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] であるとし,さらに$s=2,\ 3,\ \cdots$に対して長さ$s$の数列 \[ A(s)=(a(s)_1,\ a(s)_2,\ \cdots,\ a(s)_s,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] が定まっていて$a(s)_n>0 \ \ (n=1,\ 2,\ \cdots,\ s)$かつ \[ \overline{A(s)A(t)}=1 \quad (s \neq t \text{かつ}s,\ t=0,\ 1,\ 2,\ \cdots) \] が成り立っているとする.
(1) $s \geqq 1$ならば$A(s) \cdot A(s)=1$であり,また,$t>s \geqq 1$ならば$\displaystyle A(s) \cdot A(t)=\frac{1}{2}$であることを示しなさい.ただし,$A(s)=\{a_n\}$,$A(t)=\{b_n\}$とおきなさい.
(2) $A(2),\ A(3)$を求めると
$A(2)=\left( \fbox{あ},\ \fbox{い},\ 0,\ 0,\ \cdots \right)$,
$A(3)=\left( \fbox{う},\ \fbox{え},\ \fbox{お},\ 0,\ 0,\ \cdots \right)$
である.
(3) $t>s \geqq 2$ならば数列$A(t)$と数列$A(s)$の初めの$s-1$項はすべて一致することを示しなさい.ただし,数列$A(s)$の初めの$s$項を$a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_s$,数列$A(t)$の初めの$t$項を$b_1,\ b_2,\ \cdots,\ b_t$とおき,また,$s$と$t$以外のすべての$i \geqq 1$について数列$A(i)$の初めの$i$項を$c(i)_1,\ c(i)_2,\ \cdots,\ c(i)_i$とおきなさい.
(4) $t=1,\ 2,\ \cdots$に対して長さ$t$の数列$B(t)$を \[ B(t)=\frac{1}{t+1} \left\{ A(1)+A(2)+\cdots +A(t) \right\}=\frac{1}{t+1} \sum_{i=1}^t A(i) \] により定めると,$s=1,\ 2,\ \cdots,\ t$に対して$A(s) \cdot B(t)=\fbox{か}$である.
(5) $(3)$で示されたことから,$2$つの数列$\{x_n\}$,$\{y_n\}$が定まって,すべての$s \geqq 2$に対して$A(s)$は \[ A(s)=(x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_{s-1},\ y_s,\ 0,\ 0,\ \cdots) \] と表される.$\displaystyle \frac{y_s}{x_s}$を$s$の式で表すと$\displaystyle \frac{y_s}{x_s}=\fbox{き}$である.また,$x_s$を$s$の式で表すと$x_s=\fbox{く}$となる.
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