北里大学
2016年 理学部 第3問
3
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次の文中の$\fbox{ア}$~$\fbox{ノ}$にあてはまる最も適切な数値を答えなさい.
(1) $2$以上のある自然数を出発点とし,それに対して次の操作を繰り返して行い,$1$に到達したら終了とする. \begin{itemize}
偶数は$2$で割り,$3$以上の奇数は$1$を足す \end{itemize} この操作によって,自然数$2$は$1$回の操作($2 \to 1$)で$1$に変換される.同様に,$3$は$3$回($3 \to 4 \to 2 \to 1$),$4$は$2$回($4 \to 2 \to 1$)の操作で$1$に変換される.このような変換操作は,下図のように$1$を起点として枝分かれする樹形図によって整理することができる. \imgc{198_2285_2016_1}
$n$回の操作で$1$になる自然数の個数を$X_n$とすれば,$1$回の操作で$1$になる自然数は$2$のみであるので$X_1=1$,$2$回で$1$となる自然数は$4$のみであり$X_2=1$となる.$3$回で$1$となる自然数は,$1$回の操作で$4$になる$3$と$8$の$2$つがあるので$X_3=2$となる.$4$回で$1$となる自然数は,$\fbox{ア},\ 16,\ 6$の$3$つで$X_4=3$,同様にして,$X_5=\fbox{イ}$であることがわかる.
$n$回の操作で$1$になる偶数の個数を$E_n$,奇数の個数を$O_n$と書くと,$X_n,\ E_n,\ O_n$の間に \[ X_n=E_n+O_n \] が成立する.
$E_{n+1}$を$E_n$と$O_n$で表すと, \[ E_{n+1}=\fbox{ウ}E_n+\fbox{エ}O_n \] となる.また$n \geqq 2$の場合には,$O_{n+1}$を$E_n$と$O_n$で表すと, \[ O_{n+1}=\fbox{オ}E_n+\fbox{カ}O_n \] となる.これらの$2$つの漸化式をまとめて,$X_n$の漸化式を求めると \[ X_{n+2}=\fbox{キ}X_{n+1}+\fbox{ク}X_n \] となる.$X_1=1,\ X_2=1$だったので,$X_{10}=\fbox{ケ}\fbox{コ}$と求めることができる.
$X_n$の漸化式を解くことを考える.次の$2$次方程式を考えよう. \[ x^2-\fbox{キ}x-\fbox{ク}=0 \] この方程式の$2$つの解を$\alpha,\ \beta$と書くと, \[ \alpha=\frac{\fbox{サ}+\sqrt{\fbox{シ}}}{\fbox{ス}},\quad \beta=\frac{\fbox{サ}-\sqrt{\fbox{シ}}}{\fbox{ス}} \] である.解と係数の関係 \[ \alpha+\beta=\fbox{セ},\quad \alpha\beta=\fbox{ソ} \] を用いることにより,$X_n$の漸化式は
$X_{n+2}-\alpha X_{n+1}=\beta(X_{n+1}-\alpha X_n)$および$X_{n+2}-\beta X_{n+1}=\alpha(X_{n+1}-\beta X_n)$
と書き直すことができる.したがって漸化式は,
$X_{n+2}-\alpha X_{n+1}=\beta^n (X_2-\alpha X_1)$および$X_{n+2}-\beta X_{n+1}=\alpha^n(X_2-\beta X_1)$
と解くことができる.これらから$X_{n+2}$を消去すれば,$X_{n+1}$が得られる.
(2) 数列$\{a_n\},\ n=1,\ 2,\ \cdots,$の間には次の漸化式 \[ a_{n+2}=\frac{1}{2}a_{n+1}+\frac{1}{2}a_n \] が成立し,$\displaystyle a_1=\frac{1}{2},\ a_2=\frac{3}{4}$であるとする.
この漸化式を解くために,$(1)$の解法を用い,次の$2$次方程式を考える. \[ x^2+\frac{\fbox{タ}}{\fbox{チ}}x+\frac{\fbox{ツ}}{\fbox{テ}}=0 \] この$2$次方程式の$2$つの解を$\alpha,\ \beta$と書き,$(1)$と同様に漸化式を書き直せば,
$a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_n)$および$a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_n)$
であることが分かり,これらから一般項$a_n$は \[ a_n=\frac{\fbox{ト}}{\fbox{ナ}}+\frac{\fbox{ニ}}{\fbox{ヌ}} \left( \frac{\fbox{ネ}}{\fbox{ノ}} \right)^n \] であることが分かる.
(1) $2$以上のある自然数を出発点とし,それに対して次の操作を繰り返して行い,$1$に到達したら終了とする. \begin{itemize}
偶数は$2$で割り,$3$以上の奇数は$1$を足す \end{itemize} この操作によって,自然数$2$は$1$回の操作($2 \to 1$)で$1$に変換される.同様に,$3$は$3$回($3 \to 4 \to 2 \to 1$),$4$は$2$回($4 \to 2 \to 1$)の操作で$1$に変換される.このような変換操作は,下図のように$1$を起点として枝分かれする樹形図によって整理することができる. \imgc{198_2285_2016_1}
$n$回の操作で$1$になる自然数の個数を$X_n$とすれば,$1$回の操作で$1$になる自然数は$2$のみであるので$X_1=1$,$2$回で$1$となる自然数は$4$のみであり$X_2=1$となる.$3$回で$1$となる自然数は,$1$回の操作で$4$になる$3$と$8$の$2$つがあるので$X_3=2$となる.$4$回で$1$となる自然数は,$\fbox{ア},\ 16,\ 6$の$3$つで$X_4=3$,同様にして,$X_5=\fbox{イ}$であることがわかる.
$n$回の操作で$1$になる偶数の個数を$E_n$,奇数の個数を$O_n$と書くと,$X_n,\ E_n,\ O_n$の間に \[ X_n=E_n+O_n \] が成立する.
$E_{n+1}$を$E_n$と$O_n$で表すと, \[ E_{n+1}=\fbox{ウ}E_n+\fbox{エ}O_n \] となる.また$n \geqq 2$の場合には,$O_{n+1}$を$E_n$と$O_n$で表すと, \[ O_{n+1}=\fbox{オ}E_n+\fbox{カ}O_n \] となる.これらの$2$つの漸化式をまとめて,$X_n$の漸化式を求めると \[ X_{n+2}=\fbox{キ}X_{n+1}+\fbox{ク}X_n \] となる.$X_1=1,\ X_2=1$だったので,$X_{10}=\fbox{ケ}\fbox{コ}$と求めることができる.
$X_n$の漸化式を解くことを考える.次の$2$次方程式を考えよう. \[ x^2-\fbox{キ}x-\fbox{ク}=0 \] この方程式の$2$つの解を$\alpha,\ \beta$と書くと, \[ \alpha=\frac{\fbox{サ}+\sqrt{\fbox{シ}}}{\fbox{ス}},\quad \beta=\frac{\fbox{サ}-\sqrt{\fbox{シ}}}{\fbox{ス}} \] である.解と係数の関係 \[ \alpha+\beta=\fbox{セ},\quad \alpha\beta=\fbox{ソ} \] を用いることにより,$X_n$の漸化式は
$X_{n+2}-\alpha X_{n+1}=\beta(X_{n+1}-\alpha X_n)$および$X_{n+2}-\beta X_{n+1}=\alpha(X_{n+1}-\beta X_n)$
と書き直すことができる.したがって漸化式は,
$X_{n+2}-\alpha X_{n+1}=\beta^n (X_2-\alpha X_1)$および$X_{n+2}-\beta X_{n+1}=\alpha^n(X_2-\beta X_1)$
と解くことができる.これらから$X_{n+2}$を消去すれば,$X_{n+1}$が得られる.
(2) 数列$\{a_n\},\ n=1,\ 2,\ \cdots,$の間には次の漸化式 \[ a_{n+2}=\frac{1}{2}a_{n+1}+\frac{1}{2}a_n \] が成立し,$\displaystyle a_1=\frac{1}{2},\ a_2=\frac{3}{4}$であるとする.
この漸化式を解くために,$(1)$の解法を用い,次の$2$次方程式を考える. \[ x^2+\frac{\fbox{タ}}{\fbox{チ}}x+\frac{\fbox{ツ}}{\fbox{テ}}=0 \] この$2$次方程式の$2$つの解を$\alpha,\ \beta$と書き,$(1)$と同様に漸化式を書き直せば,
$a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_n)$および$a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_n)$
であることが分かり,これらから一般項$a_n$は \[ a_n=\frac{\fbox{ト}}{\fbox{ナ}}+\frac{\fbox{ニ}}{\fbox{ヌ}} \left( \frac{\fbox{ネ}}{\fbox{ノ}} \right)^n \] であることが分かる.
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