慶應義塾大学
2016年 総合政策学部 第6問
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ある議会において,現在,$3$つの政党$\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$,$\mathrm{C}$が$70$議席ずつ獲得している.各議員は提案された議案に賛成するか反対するかのどちらかを選択するが,党議拘束がかけられるため,同じ政党に属する議員は同じ選択をする.今,賛成を$\mathrm{Y}$,反対を$\mathrm{N}$で表すものとし,例えば政党$\mathrm{A}$が賛成,政党$\mathrm{B}$が反対,政党$\mathrm{C}$が賛成した場合を$\mathrm{YNY}$,政党$\mathrm{A}$が反対,政党$\mathrm{B}$が賛成,政党$\mathrm{C}$が賛成した場合を$\mathrm{NYY}$と表す.議案の可決には過半数の$106$票以上が必要であり,$\mathrm{YYY}$,$\mathrm{YYN}$,$\mathrm{YNY}$,$\mathrm{NYY}$のときに議案は可決され,$\mathrm{YNN}$,$\mathrm{NYN}$,$\mathrm{NNY}$,$\mathrm{NNN}$のときに否決される.賛成と反対が同数の場合には否決される.
ここで,他の政党の選択は変わらないという条件のもとで,ある政党が自らの選択を変えたときに,議案の採決の結果まで変えてしまうなら,その政党はスイングであるとよぶ.例えば,$\mathrm{YYN}$の場合を考えると,政党$\mathrm{A}$が選択を$\mathrm{Y}$から$\mathrm{N}$に変えると,$\mathrm{NYN}$となり,採決の結果が可決から否決に変わってしまう.政党$\mathrm{B}$が選択を$\mathrm{Y}$から$\mathrm{N}$に変えた場合にも,採決の結果が可決から否決に変わってしまう.しかし,政党$\mathrm{C}$が選択を$\mathrm{N}$から$\mathrm{Y}$に変えても,$\mathrm{YYY}$となり採決の結果は可決のままで変わらない.したがって,$\mathrm{YYN}$の場合には,政党$\mathrm{A}$と政党$\mathrm{B}$がスイングである.
次に$\mathrm{YNN}$の場合を考えると,政党$\mathrm{B}$と政党$\mathrm{C}$がスイングであることが分かる.しかし,$\mathrm{YYY}$や$\mathrm{NNN}$の場合にはスイングは存在しない.このように,政党$\mathrm{A}$がスイングになるのは,$\mathrm{YYN}$,$\mathrm{YNY}$,$\mathrm{NYN}$,$\mathrm{NNY}$の場合であり,政党$\mathrm{B}$がスイングになるのは,$\mathrm{YYN}$,$\mathrm{YNN}$,$\mathrm{NYY}$,$\mathrm{NNY}$の場合であり,政党$\mathrm{C}$がスイングになるのは,$\mathrm{YNY}$,$\mathrm{YNN}$,$\mathrm{NYY}$,$\mathrm{NYN}$の場合である.よって,各政党ともに$4$つの場合でスイングになる.スイングになる場合の回数を賛成・反対の組み合わせの総数$8$で割った値を影響力指数とよぶと,現在の議席数では各政党とも影響力指数は$\displaystyle \frac{1}{2}$で同一である.
(1) 次の選挙において,政党$\mathrm{A}$が$90$議席,政党$\mathrm{B}$が$75$議席,政党$\mathrm{C}$が$45$議席になったとすると,政党$\mathrm{A}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$65$}}{\fbox{$66$}}$,政党$\mathrm{B}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$67$}}{\fbox{$68$}}$,政党$\mathrm{C}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$69$}}{\fbox{$70$}}$となる.
(2) さらに上記の選挙の半年後に,政党$\mathrm{C}$が$30$議席を有する政党$\mathrm{C}_1$と$15$議席の政党$\mathrm{C}_2$に分裂したとすると,政党$\mathrm{A}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$71$}\fbox{$72$}}{\fbox{$73$}\fbox{$74$}}$,政党$\mathrm{B}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$75$}\fbox{$76$}}{\fbox{$77$}\fbox{$78$}}$,政党$\mathrm{C}_1$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$79$}\fbox{$80$}}{\fbox{$81$}\fbox{$82$}}$,政党$\mathrm{C}_2$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$83$}\fbox{$84$}}{\fbox{$85$}\fbox{$86$}}$となる.
ここで,他の政党の選択は変わらないという条件のもとで,ある政党が自らの選択を変えたときに,議案の採決の結果まで変えてしまうなら,その政党はスイングであるとよぶ.例えば,$\mathrm{YYN}$の場合を考えると,政党$\mathrm{A}$が選択を$\mathrm{Y}$から$\mathrm{N}$に変えると,$\mathrm{NYN}$となり,採決の結果が可決から否決に変わってしまう.政党$\mathrm{B}$が選択を$\mathrm{Y}$から$\mathrm{N}$に変えた場合にも,採決の結果が可決から否決に変わってしまう.しかし,政党$\mathrm{C}$が選択を$\mathrm{N}$から$\mathrm{Y}$に変えても,$\mathrm{YYY}$となり採決の結果は可決のままで変わらない.したがって,$\mathrm{YYN}$の場合には,政党$\mathrm{A}$と政党$\mathrm{B}$がスイングである.
次に$\mathrm{YNN}$の場合を考えると,政党$\mathrm{B}$と政党$\mathrm{C}$がスイングであることが分かる.しかし,$\mathrm{YYY}$や$\mathrm{NNN}$の場合にはスイングは存在しない.このように,政党$\mathrm{A}$がスイングになるのは,$\mathrm{YYN}$,$\mathrm{YNY}$,$\mathrm{NYN}$,$\mathrm{NNY}$の場合であり,政党$\mathrm{B}$がスイングになるのは,$\mathrm{YYN}$,$\mathrm{YNN}$,$\mathrm{NYY}$,$\mathrm{NNY}$の場合であり,政党$\mathrm{C}$がスイングになるのは,$\mathrm{YNY}$,$\mathrm{YNN}$,$\mathrm{NYY}$,$\mathrm{NYN}$の場合である.よって,各政党ともに$4$つの場合でスイングになる.スイングになる場合の回数を賛成・反対の組み合わせの総数$8$で割った値を影響力指数とよぶと,現在の議席数では各政党とも影響力指数は$\displaystyle \frac{1}{2}$で同一である.
(1) 次の選挙において,政党$\mathrm{A}$が$90$議席,政党$\mathrm{B}$が$75$議席,政党$\mathrm{C}$が$45$議席になったとすると,政党$\mathrm{A}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$65$}}{\fbox{$66$}}$,政党$\mathrm{B}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$67$}}{\fbox{$68$}}$,政党$\mathrm{C}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$69$}}{\fbox{$70$}}$となる.
(2) さらに上記の選挙の半年後に,政党$\mathrm{C}$が$30$議席を有する政党$\mathrm{C}_1$と$15$議席の政党$\mathrm{C}_2$に分裂したとすると,政党$\mathrm{A}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$71$}\fbox{$72$}}{\fbox{$73$}\fbox{$74$}}$,政党$\mathrm{B}$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$75$}\fbox{$76$}}{\fbox{$77$}\fbox{$78$}}$,政党$\mathrm{C}_1$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$79$}\fbox{$80$}}{\fbox{$81$}\fbox{$82$}}$,政党$\mathrm{C}_2$の影響力指数は$\displaystyle \frac{\fbox{$83$}\fbox{$84$}}{\fbox{$85$}\fbox{$86$}}$となる.
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